知る・役立つ NPO法人日本コンチネンス協会会長 西村かおる先生 監修 知りたい!ちょいモレのこと
尿の悩みは、人にはなかなか相談できないもの。日本初の排泄ケアの専門家として活躍する
NPO法人日本コンチネンス協会会長の西村かおる先生に、ちょいモレの原因や対策、向き合い方などを聞きました。
NPO法人日本コンチネンス協会 会長
西村かおる先生
プロフィール
東京衛生病院に訪問看護師として勤務した後、英国にて地域看護、コンチネンス・ケア(排泄ケア)を学ぶ。帰国後、1990年にコンチネンスセンター(排泄ケア情報センター)を開設。1993年に「日本コンチネンス協会」を設立。2009年にNPO法人化。日本初の排泄ケアの専門家として、複数の病院で専門外来を持つなどして、排泄に関する悩み相談やアドバイス、情報提供などを行っている。
Lesson1
まずは尿モレの種類を
知りましょう
尿モレと言っても、その種類や症状はさまざまです。
まずは、ちょいモレやその他の尿モレの特徴をお教えします。
- ちょいモレ(排尿後尿滴下)
- 尿道にのこった尿がモレてしまう。
トイレを済ませた直後に起きることが多く、40〜70代の約1,200万人※もの男性が悩まされている。 - ※王子ネピア調べ
- 腹圧性尿失禁
- 咳やくしゃみなど、カラダを動かしたはずみにモレてしまう。尿道を締める役割りを果たす「骨盤底筋」の緩みが原因で、前立腺の摘手術後に起こりやすい。
- 切迫性尿失禁
- 急に尿意を感じ、トイレまで我慢することができずにモレてしまう。意志にかかわらず膀胱が勝手に収縮してしまうために起こる。
- いつりゅう溢流性尿失禁
- 尿が出にくく、気づかないうちに残尿が溢れるようにモレてしまう。前立腺肥大や神経損傷といった、尿排出障害を起こす疾患が原因の場合が多い。
いつもズボンをはいたあとにモレるんだけど、
排尿後尿滴下(ちょいモレ)なのか!
Lesson2
ちょいモレの原因、
知ってますか?
男性の尿道は15~20cmと女性よりも長く、女性と比較して尿の勢いは低くなります。
さらに尿道が途中で2回曲がっているため、尿が尿道に残ってしまい、その尿が後から流れ出てくるためトイレの後に(ちょいモレ)出てくるのです。
※「ちょいモレ」のことを専門用語で排尿後尿滴下といいます。
尿道の構造
僕はパンツを2枚はくようにしてるんだけど、男性の体のつくりが原因だったんだ!
Lesson3
ちょいモレ(排尿後尿滴下)の対処法を
ご紹介します
少しのセルフケアで快適な生活を送ることができるようになるちょいモレ。
今日から気軽にはじめられる3つの対策をご紹介します。
- 1ミルキング
- トイレを済ませたあとに尿道を下から指で押すことで、残ってしまった尿をしぼり出すことができます。
- 2肛門閉め(骨盤底筋)
トレーニング - 排尿後に尿道を閉める骨盤底筋を開閉すると残った尿を送り出せます。
普段から肛門に力をこめて閉める運動を1セットあたり4~5回行い、1日15~20セットを目安に続けることで骨盤底筋を鍛えることができます。
- 3尿ケアパッドの
使用 - 尿を素早く吸収してくれて、ニオイ対策も充実した専用のパッドを使うことで、ちょいモレを気にすることなく日常生活を送ることができます。
おしっこのあとトイレットペーパーで拭いてるんだけど、尿ケアパッドがあれば便利だね